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決議・意見書

決議・意見書

司法修習生給費制廃止に反対する声明
2004-09-16
 政府は、今秋開催される臨時国会に、司法修習生に給与を支給する現行制度(給費制)を廃止し、一定額を貸与する制度(貸与制)に変更する旨の関連法案を提出する見込みである。
現行の給費制は、経済的に恵まれない階層からも人材を確保することが出来、多様な背景を持つ法曹を得ることを可能にし、弁護士、裁判官、検察官のいずれ を志望する者も統一的に養成する統一修習制度と相俟って、法曹相互間の信頼を醸成し、清廉で、使命感を有する法曹を育成することに、多大な効果を発揮して きた。
にもかかわらず、給費制を廃止しようとする理由の骨子は、財政の苦しい中、その多くが民間人である弁護士となる修習生に給与を支給するととはできないというものである。
しかし、ほとんどが民間人である医師の養成について、最近では研修医に国費から給与が支払われる制度も創設された。これは、国民の生命健康に関わる任務 を担当する医師は、公務員であろうと民間人であろうと、国費により養成する必要があると考えられているからである。
弁護士も同様である。職業として、制度として、国民の権利を擁護し、法の支配を実現することを責務とする弁護士は、高度な公共性を有するものである。弁 護士は、国民にとって是非とも必要な存在であって、弁護士を国費で養成することは、公共的な意義を有するものである。
よって、長野県弁護士会は、司法修習生に対する貸与制への変更に反対し、給費制を堅持することを強く求める。
 
 
平成16年9月16日
長野県弁護士会 会長 土屋 準
 
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